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ここはSF・オプションパーツ2「ケンタウリ」総集編(一般向け)サイトです。  2008.05.11連載再開に向けてテンプレ修正、エントリをシーン単位に変更。 2009.07.20 連載第9回まで掲載。

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「ケンタウリ」目次

目次
(1)プロローグ
(2)制憲会議
(3)核実験
(4)娘達の決断
(5)皇紀200年祭
(6)練習艦
(7)方面軍編成
(8)南へ
(増刊1)皇紀201年の年越し
(9)置き去り



別冊付録
五輪記念短編1・射撃マッチプレイ
五輪記念短編2・軌道ドッジボール
平和祈念?短編1・楽浪の最終兵器
平和祈念?短編2・防衛省女子防疫給水学校 (半完成暫定公開
平和祈念?短編3・ネ申の女学校
平和祈念?短編4・鋼鉄のブルカ
平和祈念?短編5・ボランティア
平和祈念?短編6・楽浪の素体ハンター
平和祈念?短編7・プラスティネーション(New


オプションパーツ・ケンタウリについて
設定資料集 ケンタウリプロジェクトメインページ
旧作・オプションパーツあらすじ
技術ダイジェスト1 帝國の宇宙艦
技術ダイジェスト2 宇宙艦の加速力検証
技術ダイジェスト3 首外しの困難性に関して
”ケンタウリ”第6話以降の連載方法見直しについて

レビュー記事 1

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

ケンタウリ総集編解説・目次等 |

平和祈念?短編7・プラスティネーション

満漢人民共和国・東突厥自治区

 とうとう捕まってしまった。
おそらく適当なテロ事件の犯人として銃殺される。
いつか殺されることは覚悟していたことだが、やはり怖い。
ネ申を認めぬ満漢人達は、アリババ教徒の増加を畏れ、長年にわたり私たちを迫害してきた。
近代化と称して街を打ち壊し住むところを奪い、砂漠化防止と称して家畜を奪い食べ物を奪った。
要するにアリババ教徒は死ねということだ。
どうせ死ねというなら、戦って死ぬしかない。
だから戦った。
そして力尽き、捕まった。


反国家騒乱者収容所

特別高等警察官・李樹:「おい名前は?」
私:「・・・」
李樹:「舐めるな」
ボカッ、バキッ、ドスッ・・・
私:「ネ申の敵に名乗る名はない。さっさと殺せ。」
李樹:「ふん、ネ申など居ないことを一生かけて思い知るがいい。」
私:「一生?。もう終わったも同然だろうが。」
李樹:「だから舐めるなと言っただろう。
お前のような奴には説明するだけ無駄だな。
とりあえず、お前の名などに興味はない。
何故なら、どのみち今からお前の名は二千十番素体だ。
すぐにどういうことか判る。
おい、連れて行け。」


加工室

 首筋に太い注射を打たれる。
一瞬の激痛の後、全身の感覚が消え、全く動かせなくなった。
目は見えているが、目玉が動かせない。
視界が天井を向く。
奴らは私を仰向きに台に乗せたようだ。
視界をはさみが横切る。
服を切り裂かれ、引きはがされているのか。
噂に聞いたことがある。
奴らは、突厥族の捕虜を秘密裏に処刑、解体し、臓器を移植に使っている。
一生どうのとか、ややこしいことを言っていたが、やはり殺されるのだ。
恐怖がこみ上げてくるが、麻痺のため声も上げられないし、目を閉じることさえできない。
ネ申に祈るが返事はない。
バリカンが唸りを上げながら視界をよぎる。
頭を刈られているのに違いない。
臓器移植に使うなら普通は胸か腹から切り裂くだろうが、頭から解体するのか。
スプレーのようなものが見えた。
消毒液でもかけられているのだろう。
マスクをした奴が、手に握ったメスを近づけてきた。
手の角度からいって、首の辺りを切り裂かれている。
これで終わりか。
だが、まだ意識は無くならない。
マスクの奴が管のようなものを首の辺りに押し込んでいる。
今度はマスクの奴が電気丸鋸を手にしたのが見えた。
頭上に甲高いモーター音、頭に響くごりごりという硬い音。
血しぶきが目に飛び込む。
頭を切り裂かれている。
やはり頭から解体されているのだ。
轟音が止むと、再びマスクの奴がメスを手にする。
頭にごそごそという音が響く。
と、突然視界が無くなり、暗闇に包まれる。
すぐに音もしなくなるが、まだ意識はある。
恐怖に叫び声を上げたくなったが、何もできない。
死んだのか。
だが時間の感覚も分からなくなった頃に、突然再び視界が開ける。
いや、これは元の視界ではない。
固定焦点の安カメラで写したような、限られた視界だ。
見えているのは、ステンレスの作業台、その上には全裸の女、脇に立つマスクの奴。
奴が居るということは、まだ現世か。
女の頭が奴の陰に隠れて見えない。
奴が移動する。
頭頂部が切り落とされた坊主頭が見える。
あの顔は見覚えがある。
私だ。
するとここにいる私はなんなのか。
わけが分からなくなってきた。
奴らは4人がかりで台の上の私を持ち上げ、向こうの水槽に放り込む。
それからどれだけ放置されただろう。
随分経ってから、また奴らが来て、水槽から私を引き上げ、首に挿した管から何か注入している。
そして再び持ち上げ、別の水槽に放り込む。
それからまた長い放置。
またやって来て、私を引き上げ、今度は所々切り開いている。
切り開いた箇所には、透明なシートを貼り付けている。
思い出した。
奴らは、殺害した捕虜を加工して人体標本にしているという噂もあった。
だがそれは一部嘘だった。
殺害するのでなく、生きたまま脳を取り出し、加工されるところを見せつけていたのだ。
奴らは摘出した脳を生命維持する技術を持たないとの噂だったが、何処かで手に入れたのか。
やがて奴らは、加工が終わった私の体を立て、杭の出た台座の上に持っていき、足の裏に開けた穴に差し込んで固定した。
頭頂部は切り取られたままで大きな穴になっている。
と、突然視界が動き出し、立てられた私の体に近づく。
しばらく視界が消えるが、再び加工室の風景になる。
だが私の体は見えない。
大きな姿見が運ばれてきた。
映っているのは、加工された私だ。
まるでまだ生きているようなのに、腹の一部が切り取られて臓器が丸見えになった、恐ろしい姿の私だ。
奴らが青白い椀のようなものを持ってきた。
それは切り落とされた私の頭頂部だった。
奴らはそれを私の頭に貼り付ける。
継ぎ目に粘土のようなものを塗り込んで、目立たなくする。
標本の完成ということか。


人体の不思議展

 あれから何年経ったのだろう。
私はたびたび梱包され、意識が飛んだと思うと何処かの国の展示場で目覚める。
私が展示される場所は、いつも鏡の前だ。
だから感覚が無くても、判らない言葉を話す大勢の人々が私の前に立ち、じろじろと局部や丸見えの臓器を見、手を伸ばしてさわるのが判る。
誰も私がまだ生きていることには気付かない。
初めのうちは、いつか誰かが気付いて満漢の非道を告発してくれないかとネ申に祈った。
だが誰も気付いてくれない。
やはり満漢の奴らが言うとおり、ネ申は居ないのか。


もう判らなくなってきた。

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