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ここはSF・オプションパーツ2「ケンタウリ」総集編(一般向け)サイトです。  2008.05.11連載再開に向けてテンプレ修正、エントリをシーン単位に変更。 2008.10.05 連載第8回まで掲載。

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オプションパーツシリーズ未来編「ケンタウリ」 | (6)練習艦 | 38/38

(帝都宮殿・謁見の間)

洋子:「恒星間飛行候補者第1組の者、全員無事帰還しました。」

朝子10世:「初飛行の成功、大儀であった。本音を言えば東宮だけは乗せたくなかった罠。
どんな事故があっても不思議ではなかったからね。貴女が候補でなければ監督を任せたかった。」

洋子:「お気持ちは察しますが、あの艦の設計に最初から関与していなければ解らないことは多いです。
私の指揮が妥当と評価していただけたか自信はありません。到底他人の指揮を評価など出来ませんよ。」

朝子10世:「うん、恒星間飛行を目指すが故に根っから技術屋の娘を東宮に据えたのだ。
もちろんアレがこの度のように自らリスクを冒してでも完璧を目指す性格なのも承知だった。
だが、万一のときはこの老いぼれが当分内政を見なければならなくなるのがいかにも厳しいのでね。
貴女の顔を見てほっとしたせいで、余計なことを言ってしまった。聞かなかったことにしておくれ。」

洋子:「もとより他言など。」

朝子10世:「で、実際に標的回避をやってみて本番でどこまで出来ると思う?。」

洋子:「あの標的は破壊不能な大きさがあって最も発見が遅れるサイズの障害物を模しています。
今回はなるべく船体に無理をかけない方針でしたからあえて3段目の標的を回避をしませんでした。
艦の姿勢制御システム自体はまだ余力があったので本番なら回避を優先し実際に回避も可能と考えます。
問題はその際誘発される各部の故障に対処している最中に新たな障害物と遭遇するおそれでしょう。
確率論から言えば太陽系外縁部にそれほど多くの障害物が存在するなら観測にかかっているはずです。
1個の物体が小さくても群れをなしていれば光や電波を遮る現象が起きそうですが観測例はありません。
おそらく訓練標的のように人工的な配置がされなければ4回続けて障害に遭遇することはないでしょう。」

朝子10世:「その考えにはほぼ同意だね。だがオールト雲の状況に関する情報は極めて少ない。
カイパーベルトですらかつて予想された以上に軌道傾斜が大きい矮惑星が多数見つかっているんだ。
太陽や木星の潮汐力が弱いオールト雲の分布は球殻状と考えるべきで南極方向が薄いとは期待できない。
だから例外に出くわした場合を常に想定して行動して欲しいね。」

洋子:「そのために単艦でなく5隻からなる艦隊による計画としたのですよね。
3隻がたどり着ければ植民に必要な物資と人員が足りるよう余力を見込んでいるのですから。
持って行ける物量だけならもっと太い船体に複数の爆風受けを付けた単艦の方が有利でしょう。
高速航行中の移乗が可能かなんて考えずに済む利点もありますし。」

朝子10世:「それは後から考え出したことなんだな。むしろ旋回性能が主な制限要因だよ。
太い船体は重量の割にバーニアを設置できる場所が少ないから旋回が遅くなる罠。
ビームで破壊できない隕石に対する電探の有効距離から求めた回避時間で最低旋回性能を決めたんだ。
それで単艦の重量が制限されたために最低3隻分の積載量が植民に必要だと言うことになった。
どうせ艦隊行動を前提にしなければならないなら歩留まりを考えようという訳さ。」

洋子:「それでも3隻で足りるという保証はどこにもないんですよね。」

朝子10世:「当然、恒星のタイプが同じだから資源状態が太陽系と大差ないという仮定での話だね。
カイパーベルトに類する天体群が少なければ現地での消耗品調達は難しくなる。
それに金星のような高温惑星や砂漠の惑星を可住化して素体生産地に出来る可能性も少なくなるね。
人員を補充できない星系なら無人観測ステーションを設置して帰る以外出来ることはないだろうよ。
そういう限界は5隻全部が無事着いたとしても変えようがない罠。」

洋子:「手頃な天体が無い場合だけはどうにもなりません。手ぶらで帰る覚悟はしていますよ。
そもそもこんな計画に参加しようという娘は大抵根っからの宇宙飛行好きですから心配ありません。
むしろ、目的地が決まって飛行が終わるときの方が心理面では心配なくらいです。」

朝子10世:「そうだな。どっちに転んでも難しい。
そして残念だがこの老いぼれがその結果を知ることは絶対に無い。
全ては若い者に託すしかないんだよ。報告ご苦労だった。
期間が規定の最短だけで済まないが、精一杯休養しておくれ。」

洋子:「今ごろは北に向かっている第2組の成績が気がかりではありますが、忘れるよう努めます。
でわ下がります。」


(こんな練習飛行が一巡すれば、部隊編成となります。
それまでには、かぐやたち下っ端の過重労働もピークに達することになりますので果たして保つのか判りませんが。
次回予定:「方面軍編成」。)

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(2日後、”ぐりーんらんど”)

華子4世:「たったいま標的設置に当たる第3組艦長候補から準備完了報告があった。
これより、第2組の練習飛行を開始する。艦長候補亜衣羅、指揮を引き継ぎなさい。」

亜衣羅:「方向転換用意、正副操舵員、着首よいか?。」

朝子13世:「第一、第三獄門台を使用します。第一獄門台接続良好。」

はるか:「第三獄門台接続良好。」

亜衣羅:「よし、北極方向に針路を取れ。周囲安全確認後直ちに核パルス推進を始める。」

朝子13世:「前後バーニア、ジャイロ同期よし、方位真北まで30秒。」

はるか:「上方視界良好、針路障害見あたらず。北極星確認。」

亜衣羅:「総員、耐G体勢。想定加速度4G。」

朝子13世:「前後バーニア逆転、ジャイロ制動、方位真北。」

亜衣羅:「核パルス推進、種原爆1、推進弾92万、推進開始。」

朝子13世:「射出します。」

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