オプションパーツの技術概要3・首外しの困難性に関して2008-06-10 Tue 23:24
某掲示板において、「ケンタウリ」でたびたび行われている首外しはアンドロイドなら良くある話だが生命維持装置を胴体に搭載するのが常識とされるサイボーグにおいては困難ではないかという疑問を述べた方がありました。
実はその答えは旧作・「オプションパーツ」の中で書いた人工小脳型の開発経緯に出てくるのですが、解説として書いたわけでなく登場人物のやりとりから類推すれば何となく判るかなという触れかたなので、判りにくかったようです。 旧作は閲覧要注意サイトに掲載されているので読んでいないという方でも同様な疑問を抱くことになりそうなので、ここらで解説記事を入れておくことにしました。 Q: >首外しはロボット・アンドロイドでは萌えの定番ですが、 >サイボーグの場合は、生命維持装置が頭部に在る場合以外は難しいと思うのですが。 >例え有線であっても、何メートルもだと、胴体に収納の問題もありますし、 >そもそも必然性があるのかという事も。 >サイボーグ・ロボット問わず、完全に切り離す場合、首を着けたり外したりを >胴体に指示させる為の遠隔装置も必要です。 >屁理屈ばっかりなのですが、その辺りどうなのでしょうか? A: 帝國でも標準型である有脊髄型は脊髄が胴体内まで伸びていますし、生命維持装置が1次(恒久維持用で呼吸を要する)、2次(メンテナンス&宇宙遊泳用の簡易バックアップで連続稼働時間12時間程度、無呼吸)とも胴体搭載のため首が外せません。無理に外せば例え血管を延長しても延髄あたりで千切れて髄液が流出し死亡します。 オプションパーツ末期の”(35)再改造”で核パルス艦搭乗員のため開発された人工小脳型は脳が大脳だけに縮小したため代謝が少なくて済み2次生命維持装置の所要容量も小さくなったので、もと延髄を含む脳幹があった位置に小型化2次生命維持装置を置いて頭部収容とし、首が外せるようになりました。ただし、生命維持原液のメインタンクは胸部前面にあるので外しっ放しでいられるのは短時間です。すみやかに胴体か獄門台に接続し原液または1次生命維持装置が生産する中間液を供給しなければなりません。 生命維持原液とは現在の実在技術における中心静脈点滴の点滴剤に相当する液体に酸素を封じ込めたマイクロカプセルを浮遊させたもので、液体で栄養を運ぶとともに2次生命維持装置入り口の強磁界によってマイクロカプセルを開封することで呼吸を可能にします。体外で製造して補給する必要があることと、いくら補給しても成分が不完全なため栄養失調を起こすので連続使用時間に制限があります。 1次生命維持装置は生身の消化器官+造血器官と同等の機能を有していて栄養失調を起こさない中間液を生産し、さらに直接血液を循環させたときは外呼吸と血球の補充もできますが、骨髄等の生体パーツや善玉菌を使っているため呼吸可能な環境下にないときは冬眠状態にする必要があります。 神経系統は有脊髄型でも感染症防止・耐真空性を重視して脳脊髄ケースの開口部を減らすためと、宇宙遊泳時の姿勢変換が楽なように体の柔軟性を重視するため元からコードレス式です。側索毎にコイン型の無線LANトランスポンダが脳脊髄ケース内に搭載されています。 無線LANのハッキング対策は外皮で減衰させることで防止する方式です。 人工小脳型では脊髄神経が人工小脳に集約されていますが、視聴嗅味覚の神経トランスポンダは有脊髄型と共通部品です。 人工小脳型開発後も有脊髄型が併存する理由は脳底部の大規模切除という大手術を必要とし再改造後遺症のリスクがあることと部品コストの高さから再改造対象を核パルス艦搭乗員志望者や脊髄障害者優先で絞り込んでいるためです。 皇族らの宙軍首脳では、東宮華子4世ら若手は核パルス艦の指揮官経験者なので人工小脳型が多く、皇帝朝子10世のような高齢者ほど核パルス艦開発時には既に一線を退いて政務に専念する立場だったため有脊髄型のままという方が多くなっています。 恒星間航行艦操舵員は反応速度を速めるために一部の運動制御を有線直結化し首にソケット出ししています。そのため勤務時は艦首ヘッドフィギュア内の専用獄門台に首をセットする必要があります。 操舵員以外でも休養時には別のボディにすげ替えるなどして首外し機能をQOL向上に役立てています。 北米連のスージーとリンダは全体に大柄で生命維持装置が不完全な代わりに簡素なので早期に首外し可能となりました。 不完全な生命維持装置による栄養失調の問題は所属するタカ派NGO内での集団献血によって解決しています。 ![]() 人工小脳型の頭部断面図 |
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