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ここはSF・オプションパーツ2「ケンタウリ」総集編(一般向け)サイトです。  2008.05.11連載再開に向けてテンプレ修正、エントリをシーン単位に変更。 2008.10.05 連載第8回まで掲載。

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オプションパーツシリーズ未来編「ケンタウリ」 | −−(2)制憲会議−− | 4/5

(地下 青の公家廟)

廟守:「頻繁なお参りとは殊勝ですね、亜依羅侯。あ、そちらは東宮様。」

亜依羅:「今日は東宮様がご視察をお望みでね。調子いいの何柱か居るかな?。」

廟守:「先ほど桃子侯が実験のためお入りに。桃子侯の方がお詳しいですから。」

亜依羅:「解ったわ。桃子に聞いてみましょう。東宮様、こちらからどうぞ。」

桃子:「亜依羅、3柱で脳細胞残存率が増加できたわよ。あ、東宮様!一体?。」

華子4世:「どうやら良いところに来たようね。1つは貴女の実験に興味があって。
後は、明日の制憲会議に備えて、ここの亡霊達の意見も聞いておこうかと思ってね。
廟のシステムはここのが最も歴史が長く、亡霊の数や種類も揃っているでしょう。
前例のないことに取り組むときは雑多な経験がヒントになることも多いからねえ。」

桃子:「興味を持たれる意図はよく解りますが、まだ実用出来る状況ではないです。
5柱に培養ES細胞を注入したところ、3柱で明らかに脳細胞生存数が増加しました。
しかし、その3柱で増えた脳細胞が意味のある回路を構成したとも言い切れません。
現役サイボーグの寿命延長に使うには相当長期間のデータを取らないと無理です。」

華子4世:「その長期間というのが5年弱か10年以上かで随分話が違うのよ。
もし、200年を超える寿命が得られたら可住惑星が発見済の星系が狙えるわ。」

桃子:「単に生命に関わる安全性だけを評価するなら3年で出来るでしょう。
しかし、サイボーグ自律行動基準を超えるIQを維持出来るかはわかりません。
いや、その点はここの亡霊と話されれば幻滅なさるでしょうね。」

亜依羅:「とにかく覚醒させてみましょうか。実際知能が上がったか話せば判ります。」

桃子:「一番条件が良いのは、新しい方の2柱ですので、それにしましょう。
えと、生命維持装置睡眠モードから通常モードに、代謝モニターは...
代謝量に基づく脳細胞残存率が67%と63%、これは入廟時に対してです。
ES細胞注入前の値が62と60でしたから、増えた分が新規の神経細胞です。
但し、その間も死滅する分があるので実際の新規分はそれ以上になるわけです。」

真理亜:「むっ、誰もおらんのか。奴隷はどこだ。逃げたな。お仕置きしてやる!。
誰か、奴隷を捕まえてこい。それから電気鞭をもてい...。」

マサ:「ううう、どこかにいい鴨は居ないかなあ。えへへ...くんくん。あっ。
そこの親切な人、フェラ焼き持ってきてくれたのね。お願い、ねえってば、クレクレ。」

亜依羅:「お供えを求めているわね。与えても良いかしら?。」

桃子:「マサ侯の方は危険性が無さそうですので、腕の動作を許可してみましょう。
どうぞ。先代公の方は危なそうなので落ち着くまで止めておきましょう。」

亜依羅:「ご先祖様、フェラ焼きですよ。」

マサ:「おお、ありがたや、レロレロ、べろんべろん太い太い...」

華子4世:「なるほど、お供えにアメリカンドックが必要なわけだね。」

亜依羅:「いつもこんな調子なのです。今日はいくらか欲求が激しいように見えますね。」

桃子:「実際そうでしょう。生着した新規神経が既存部分の強い箇所に誘導されるのです。
この2柱は亜依羅の先祖のうちでも最も欲望のおもむくままに生きてきた方だったそうね。
したがって、既存部分の強い箇所が明瞭で新規神経が憑きやすいのでしょう。
そのために比較的老いたES細胞でも生着が進んだのだと考えられます。」

華子4世:「なるほど。脳細胞は容易に増やせても有用な方向に導くのは難しいかな。」

桃子:「そういうことです。そして脳自体より教育や生活環境の問題になります。
廟の亡霊や非人で実験したのでは有用な方向への刺激が少なくて成果が上がりません。
また、まとめて注入するより毎日少しずつ補充するほうが生着率も上がるでしょう。
したがって、ある程度安全性を確認後は長期航行中の艦で実験するしかないと思います。
艦内なら常時任務をこなすため刺激もあり、閉鎖環境なので状態管理もし易いのです。」

華子4世:「痴呆症のシビリアン向け施設で被験者を募るというのはダメかしら?。」

桃子:「無理でしょうね。一旦すぐ効果が判るほど脳細胞が減ったら脳幹が機能しません。
サイボーグは生命維持を脳幹に依存していないから大脳に生き残る部分が存在するのです。
この2柱は有脊髄型なので下位機能の老化状況も追えますがやはり一部を除き死んでいます。」

華子4世:「生き残る下位機能ってどこなの?。」

桃子:「この2柱では外性器対応部の残存率が高いです。再生も比較的盛んな部位ですね。
まあ、そのせいで投入したES細胞がそちらに喰われてしまってIQが戻らないのかも。」

華子4世:「それで、人工小脳型ばかりが揃い、緊張の連続で閉鎖環境な艦で実験したい?。
なんだか、恒星間航行艦乗員への自推を正当化したくて言っているようにも聞こえるわね。
貴女は元老院議員に選ばれたばかりで任期があと6年あるからかなり厳しいわよ。」

桃子:「所詮互選だから代わりは居ますよ。明日の制憲会議は目一杯協力しますから。」

華子4世:「ふふ。ではとりあえずこの2柱がもう少しまともに口を利くようにしてね。」

桃子:「おやすいご用です。身体制御CPUの覚醒パルス振幅を上げてみますよ。はい。」

マサ:「れろれろ、がぶっ、あ、ご免、食いちぎっちゃったよ。あれ?。あら有栖!。」

亜依羅:「亜依羅ですが。」

マサ:「亜依羅だったの。そっくりだから判らないわ。えと、そちらの方は?。」

亜依羅:「頭部外装パーツを同じ職人にやらせていますので仕方ないですね。
今日は東宮様がご視察にお見えです。ご先祖様から長期航行の経験を引き出したいと。」

マサ:「え?。一体今は何年なの?。私の知ってる東宮様は...ダメ思い出せない。」

亜依羅:「皇紀195年です。現皇帝は朝子10世陛下、現東宮は華子4世殿下です。」

マサ:「もうそんな時代だったっけ。で、何でしたっけ?。」

華子4世:「長期航行中の生活で困ったことについて知りたいのよ。
最近は人工小脳型サイボーグが充足し、カイパーベルトに農産施設付き工場も配置されたわ。
それで火星以遠の航行が核パルス推進艦ばかりになって任務期間が短期化してる訳ね。
貴女が現役の頃は旧式のイオン推進艦で冥王星に行っていて4年間とか当然だったでしょ。
最近は補給地で手軽にボディをすげ替えて地上並みの生活するのが当然になっているしね。」

マサ:「長期任務で辛かったのは、繁華街がない事かな、あとブランドファッションとか。
一体どこまで行くのですか?。カイパーベルトの先に惑星でも見つかったのですかね。」

華子4世:「近隣の恒星を目指すのよ。近々出来る機関だと最短片道40年ね。」

マサ:「それって殆ど一生じゃ!。一生繁華街に行けないなんて気が狂いそうorz。」

真理亜:「繁華街より奴隷が必要よ。思い切り苛め甲斐がある奴隷がね。」

亜依羅:「あ、先代公、落ち着かれたのですね。」

真理亜:「とっくにね。つっこみ入れるタイミングを待っていたのよ。40年か、長いな。
反抗的な非人を揃えておくが良いわ。すぐにめげる奴では飽きてしまうわよ。」

華子4世:「繁華街に非人か。かなり荷物が増えてしまうわね。」

桃子:「実験用に非人は必要ですが、繁華街はそもそも無理でしょう。」

華子4世:「都市型とまでは行かぬが増結コンテナの直径と長さは100m以上になる。
1個増やせば、耐G性に問題がない造りは難しいが街を再現するのは不可能でもないな。
着陸に適当な天体がない場合に備えて、基地衛星を築く資材は積まねばならないしね。
街に男が居ないのが問題かな。ダッチアンドロイドの利用も考えなくてはいけないかも。」

マサ:「眠くなってきたよ。その前にお供えもう一本おくれ。」

真理亜:「藻前は廟に入っても相変わらず怠け者だな。ふああ、だるい、あっ、いかん。」

桃子:「覚醒パルスの効きが落ちているようです。もうじき限界ですね。」

華子4世:「十分だわ。いまいち確信がなかった部分がはっきりして良かった。
帰ろうか。桃子、明日の制憲会議では宜しく協力頼むわよ。」

亜依羅:「でわ、ご先祖様、ごきげんよう。お供え置いていきますのでごゆっくり。」


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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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